食べ物を通して地域を応援!地域の人たちで支えるシェアマルシェとは?

地方創生-regional revitalization-

by 縁カレッジ

つくる人と食べる人が繋がるコミュニティ【シェアマル@西宮】

地域で頑張る生産者の方々を、その地域にすむ人たちで応援する。地域活性化は決して「ヨソ者」がやることではないんだと教えてくれたプロジェクトがありました。それがシェアマル@西宮。数回のお手伝いを通して見えた世界や、感じたことをお伝えします。

目次

  1. シェアマルシェってなに?
  2. マルシェで生まれる「交流の世界」
  3. 「取りに行く」手間は、出会いのチャンス
  4. 生産者さんの本音「自分たちも安心を求めてる」
  5. 買う人たちの声「お野菜が生きている」
  6. シェアマルは出会いの交差点

シェアマルシェってなに?

平たく言うと事前購入型の共同購入マルシェのことです。

地域でとれたお野菜やお肉、お魚などをインターネット上で、あらかじめ予約購入。そして、週に1度指定の会場に自分で取りに行くというシステム。

その会場には自分が予約したお野菜だけでなく、当日販売用の朝採れお野菜たちや、食べ物・健康にこだわっている出店者さんも週替わりでならびます。

こういう仕組みにすることで、売れ残ったから廃棄といったフードロス解決にも繋がります。

代表の光岡大介さん
コーディネーターの三原直子さん

シェアマル@西宮を立ち上げたのは、代表の光岡さん、コーディネーターの三原さんのお2人。

命をかけて命を生み出している農家さんや
命をかけて命をいただいてくる漁師さんなどの
美味しくて、新鮮で、安心な食材を

自分を含めた家族の健康と幸せを願う、素敵な地域のみなさんで分かち合いたい

との思いから、このシェアマル@西宮を立ち上げました。

お2人が大切にしているのは、消費者さんも生産者さんも、共に幸せになること。笑顔があふれる食卓を提供したい、と語ります。

マルシェで生まれる「交流の世界」

1月~2月の中旬まで5回に渡ってトライアルが実施され、5月から本格稼働するシェアマル@西宮。

私は、この【シェアマル@西宮 トライアル】を何度かお手伝いさせていただき、現場を見てきました。

そこで見たのは

つくる人と食べる人が交流する姿
新鮮なお野菜たちに驚く顔
子どもたちの興味深々の顔
そして、話すことで生まれる笑顔

でした。

ある日の様子。この日は丹波在住の農家さんが来てくださいました。(写真中央奥)

このシェアマルシェ、単なる「地域で育った安心・安全の食材がリーズナブルに手に入る場所」ではありませんでした。

「食べる人がつくる人のファンになる場所」
「生きてるお野菜のことを知る場所」
「そこにいる人たちの交流の場所」

こんな多面性をもった世界が広がっていたんです。

「取りに行く」手間は、出会いのチャンス

オープンから途切れることなく、会員のみなさんが来られます

このシェアマルの仕組みには「事前予約や、取りに行くことの面倒さ」がどうしてもつきものです。

でも、廃棄になってしまう食材がなくなることは生産者さんを幸せにします。取りに行くことで、インターネット予約の中にはなかった当日販売の食材たちに会えたり、生産者さんと直接お話できたりもします。

そういう出会いの中で、美味しくて安全な食材たちのストーリーを知ること、生産者さんの想いにふれることは、地域をみんなで支えていくことに繋がるんだと教えてくださいました。

生産者さんの本音「自分たちも安心を求めてる」

とある生産者さんと話した時のこと。

「誰か食べているのかを知れるのは安心」
「目の前で美味しいといってもらえると幸せ」

私たちが食に対して安心を求めるように、つくる人たちも安心を求めていました。

スーパーに並ぶ「私がつくりました」の顔写真。これはこれでいいのだけど、シェアマルが望むのはこういう一方的な関係ではなく、お互いの顔が見える関係性。

私はシェアマルの現場で、つくる人と食べる人が笑いながら話す場面を何度も見ました。食材のことを聞いたり、食材のストーリーを知ったり。安心って、こうやって生まれて繋がっていくんだなぁと感じられる瞬間でした。

買う人たちの声「お野菜が生きている」

当日販売のお野菜たち。生産者さんが提供できる分だけを販売します。瞬く間に売れていくので、クローズする頃にはほとんど残っていません。

ある購入者さんと一緒に、予約のお野菜をピックアップしていた時です。ちょっとしたことから会話が弾みました。

「今日でシェアマルのトライアル、ラストなんですよね。5月までどうしよう~。絶対恋しくなる。」

と仰ったんです。

「やっぱりスーパーのお野菜とは違いますか?」

と聞いたところ

「美味しさが全然違う!お野菜の味がして、生きてるお野菜をいただいてるって感じなんです!家族も全然違うって言うし、今日買った分がなくなったら5月までどうしたらいいの…」

と、まるでお野菜たちに恋をしているような顔で答えてくださいました。これまで自分の地域で育つお野菜を知る機会がなかったそうですが、今回のシェアマル@西宮の会員になったことで、もっと地域に目を向けよう!となったそうです。

シェアマルは出会いの交差点

シェアマルのサポーターさんたちと

4回ほどお手伝いの中で、設営・接客・写真撮影など、特にラストの2/14は色々とお話も聞かせていただきました。

シェアマルは、出会いの交差点です。

新鮮な食材と出会う。新しい食材と出会う。
生産者さんと出会う。色んな出会いがあります。

地域の生産者さんは、地域のみなさんの食卓を彩る。地域のみんなで、地域の生産者さんを育てる。そして、それと共にシェアマルも育っていく。

お互いに支え合って進んでいく世界が、生まれていました。その土地のものを大切にして、みんなで育てていくことが地域活性に繋がるのだなと思いました。