
僕の神山移住ヒストリー〜神先岳史さんインタビュー後編〜
みなさん、こんにちは。ローカル旅・島旅大好き、そこに住む方と話すのが何より好きなおがさひろこです。
前回は、神先さんが神山を知ったきっかけの「神山塾」や神山塾を通して学んだこと、地域での活動を伺いました!
前回の記事はこちら▽
さて、今回は移住エピソード後編。神山塾を卒塾した後から現在までの活動や、移住を考えている方へのメッセージをお伝えします。
-:筆者、(神):神先さん
神山塾を卒業した後は…
- さて、少しおさらいさせてください。神山塾は、職業訓練の制度を使って半年間神山ですごしながら、自分のやりたいことを見つけて、トライしていくといったものですよね。
自分のやってみたいことを進めるスモールプロジェクトというものもあって、神先さんは「屋台」をやってらっしゃったと。
神山塾は「半年」という期間が決められていたとのことですが、その後はどうされたんですか?
(神)神山塾のスモールプロジェクトでやっていた屋台をベースに活動しました。初めは神山の食材を使った料理を提供していましたが、徐々に神山で作られた商品も屋台で一緒に売るようになりました。

- 以前からずっと飲食に携わっていたからこそ、神山での活動も飲食がメインになっていたのですね。他には何かされていましたか?
(神)神山に来たお客様に「接待」としてコース料理をふるまう出張料理人をしたり、シェアカフェで週に3日カフェをやっていたりもしました。
- シェアカフェとは?
(神)家賃を何人かで出し合い、お店をシェアする仕組みです。そこで週に3日、僕はカフェをオープンしていました。このカフェは上勝でやっていたんです。

- 神山だけで活動していたわけではなかったのですね。
(神)そうですね。神山、上勝など色んなところに活動場所がありましたね。
徳島市内、そして神山へ
- ということは、卒塾後に住んでいた場所は神山ではなかったのですか?
(神)はい。徳島市に住んでいました!徳島市を拠点に色々なところへ行ったり、徳島市内でも活動したりしていたんです。
- なるほど。神山塾の卒塾後、まずは徳島市内にいたのですね。徳島市内での活動はどんなことを?
(神)徳島の大学生たちとイベントを企画して実行しました。屋台やカフェをやっていた時の繋がりとはまた別の、新たな繋がりができましたね。
- 大学生たちと!それは繋がりの幅が広がりますね。徳島市には何年くらい住んでいたのですか?

(神)5年ほどですかね。WEEK神山を引き継がないかという話も前からいただいていたのですが、すぐには踏み出せませんでした。
- その理由とは?
(神)やっぱり神山に移住というのはある程度の覚悟が必要だったんです。地域に住むからには、その地域での役割を担うことも必要だと思っていたので。
そして移住するからには、いい家に住みたかったというのもあります。家は3年くらいかけて探しましたね。
神山に移住する前に
- なるほど。神山に移住する前に、何か準備や交流などはしていたのですか?
(神)めちゃめちゃしました。両親が山形にいるのですが、山形の季節の果物を送ってもらって、それをみなさんに配るとか。人付き合いをして交流もしていました。
そういう準備をしたことで、何かあっても周りの人が助けてくれるっていう安心できる環境にいられます。
- やはり移住前の準備は大切なのですね。先ほどいい家を3年かけて探したとおっしゃいましたが、住む場所の確保ができたことも移住への後押しとなったわけですね。
(神)はい。神山の人たちとの関係もできて、家も見つかり、息子も保育園に行く年齢になったというタイミングが揃ったのが決め手でした。神山への移住はすべてタイミングですね。

- 神山塾の後、まずは徳島市内、そして神山へと準備をしながら段階的に移住されたのですね。「移住」の仕方はたくさんあるということが分かりました。貴重なエピソードをありがとうございます!
移住を考えている人たちへ
さて、最後になりましたが、移住を考えている方へ何かアドバイスがあればお伺いしたいです。

(神)移住を考えている人に向けては、人それぞれの人生なので、あくまで僕の主観になりますが…。
今年から年号も変わりましたし、社会全体を見たときに確実に時代が変わります。
ますます個人やそれよりも少し広いコミュニティの時代になり、大きなものは解体され、より本質を問われる時代になると思います。
そのなかで自分がどうありたいのか、どうしていきたいのか、社会の中でのポジショニングなどが大切になってきて、逆にそこを考えて行動していくしかないのかなと思います。
移住でうまくいく・いかないというのは、運や地域との相性、タイミングが大きな要因だと思うので、結果論でしかないかなと。
ただそこに至るまでに先に述べた「自分がどうありたいのか、どうしていきたいのか、社会の中でのポジショニングなど」を自分で決めて、行動するということができていれば次へ進めると思います。

あとは今の時代は情報は多いけど、そこで得られる価値はどんどん下がってきているように感じます。
思い切って行ってみたり、偶然出会ってみたりという「流れ」で、たまたまそこに住むことになったりする人の方が移住で長く住めているのかなと。
今いる自分の状況をある程度自分で決められる人、それを分かった上で行動できる人は移住に向いていると思います。
もちろん自治体や国の制度などで検討することも必要ですが、ある程度計画をしつつ、そこにいる知り合いに会いに行ったり、思い立ってたまたま行ってみたり、なんとなく気になったり…みたいな、根拠のない自信というか、自分の【直感】で動くことも大切なんじゃないかなと思いますよ。
- 考えている移住先の情報だけでなく、自分自身の直感や感覚を大事にした方がいいのですね。貴重なお話をありがとうございました!
(神)こちらこそありがとうございました!
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自分が移住しやすくする関係づくり、住む家の確保といった事前準備の大切さを教えてくださいました。また、移住するときには情報だけでなく「直感」や「感覚」といった、目に見えないものも信じることも大事なようです。
移住を考えているみなさん、ぜひ参考にしてみてくださいね。
それではまた、別の記事でお会いしましょう!