
ほっと一息つける場所でありたい。築70年の古民家を改装した神山の宿泊施設WEEK神山とは? 〜神山インタビュー記事(WEEK神山編)〜
みなさん、こんにちは。私の出身地・徳島は、移住者が多い県で有名なんです!市内出身の私にとって「徳島は移住者が多い」という事実は結構驚きでした。徳島県内でも移住者が多い地域の1つが神山(かみやま)。 近年では「神山バレー・サテライトオフィス・コンプレックス」や地産地食をモットーにしたご飯屋さん「かまや」が注目を集めています。


そして、神山の清流・鮎喰川(あくいがわ)が目の前に流れる絶好のロケーションの宿泊施設、WEEK神山。

実は数年前、私も家族で宿泊したことがあるんです!今回はWEEK神山を運営していらっしゃる神先岳史(かんざきたけし)さんに、これまでの経歴やWEEK神山への想い、神山移住に関することなど、たくさんお話を伺ってきました!
―:筆者 、(神):神先岳史さん(敬称略)
WEEK神山ってどんなところ?

―はじめまして、今日はよろしくお願いします。神山は何度か来たことがあるんですが、眺めが本当にいいですね!早速なんですが、今現在されているWEEK神山について教えてください。
(神)すごく簡単にいうと、神山にある宿泊施設です。神山に視察に来た人たちや、神山にいる知り合いに会いに来た人たちが泊まりにくることが多いですね。最近はお遍路さんも泊まりに来ることがあります!

―ゲストハウスって感じではなさそうですが…
(神)そうですね、ゲストハウスというよりも、普通の宿って感じです。神山ではたくさんのプロジェクトが動いているのですが、それらを視察したり、日中精力的に活動したりする人たちの利用が多いです。なので、ここはホッとひと息つける場所・拠点という立場にしたいなと思って、普通の宿に寄せた運営をしています。
― 宿泊プランとしてはどういうものが?
(神)朝食付きのプランのみです。事前予約してもらうと、夜ご飯もお出ししますよ。神山で採れたものを丁寧に調理して、お料理として提供しています。
― 美味しそう!食事は神先さんが作っているんですか?
(神)そうなんです。ずっと大学生時代から飲食のアルバイトもしていましたし、社員として働いていたこともあるので。WEEK神山に来る前は徳島の別の場所でカフェをやっていたり、出張料理人としても活動したりしていました。
― 神先さんの人生についても後ほど詳しく聞かせてください(笑)ここに泊まりに来る方は観光客というよりも、視察に来た人たちや神山に知り合いがいる県外の人たちが利用することが多いとのことですが、一見さんお断りっていうわけではないんですよね?
(神)もちろんです。ただ、「神山のこのプロジェクトを知っている」とか「○○さんに紹介してもらって」とか何か「神山」を知っている人に利用してもらえると嬉しいですね。「共通言語」とか「共通知識」があるというか。それを通して深い人間関係を築けたり、新しく繋がっていけたりするので。

― ただ「泊まるだけ」の場所ではない、と。
(神)はい。それならどこの宿でもできるので。ここに来たからもっと深い繋がりができたとか、新しい人たちに出会えたとか、そういう繋がりを広げたり、繋がりが生まれたりする場所でありたいですね。そういうのが口コミで広がって「WEEK神山に行きたいな」っていう人が増えれていけば嬉しいです。
― 実際、宿の運営は大変ですか?
(神)そうですね。やっぱり拘束時間が長いので大変です。でも、WEEK神山に泊まりに来てくれた人たちと話すのは楽しいですね。タイミングが合えば、夜ご飯を予約してくれた宿泊されるお客さんと、僕ら家族が一緒にご飯を食べるなんてこともしてます。
― まさに「家」に遊びに来たような感覚ですね。
(神)WEEK神山に来た人が「いいな」「また来たいな」って思ってもらえるような場づくりをしていきたいです。
WEEK神山のこれから

― WEEK神山をこうしていきたい!という想いがあれば、ぜひお聞きしたいです。
(神)今は「神山」があって「WEEK神山」っていう立ち位置なんですよ。ここを「WEEK神山があるから、神山に行く」っていう形に変えていきたいですね。
― なるほど。なぜそういう考えに至ったのですか?
(神)地域活性の事業って、自治体の協力があって成り立っているものもあって。地域活性にも波があって、その形態のままで自治体にいつまでも頼っているばかりでは、さっき言った「WEEK神山があるから、神山に行く」っていう図にはならないと思うんですよね。
自立してできるようになることが大事だなぁと。WEEK神山があるから、周りにある集落が成り立つ、そしてそこに住む地域の人たちが元気になる、「私らにはコレがある」と誇りに思える。こんな影響を持った場所に育てていきたいです。それが本当の活性化だとも思っているので。
― WEEK神山自体に経営としてのチカラをつけていくってことですか?
(神)確かにそれも必要ですが、単に売り上げを伸ばすのでは意味がないと思っています。「WEEK神山に来たお客さんっていい人たちね」と地域の人たちに喜んでもらいたいですし、お客さんにも「神山っていいね、WEEK神山っていいね」と思ってもらえることが最重要です。地域に住む人たちと、よそから来たお客さん、お互いの関係性を築いて繋がっていくような場所になるといいなって思います。

― 「また来たい」って思ってもらえるような仕掛けや、取り組みなどはされていますか?
(神)「よくわからないけど、なんかいい」と思ってもらえるように意識しています。近年、情報過多な時代になっている分、言葉とか雰囲気とか、目に見えないものの価値が高まっていますよね。体験型観光が増えているのも、見えないものに価値を見出しているからこそなんです。
WEEK神山も「よくわからないけど、なんかいい」という目に見えない雰囲気を意識して運営しています。雰囲気って、外装・内装などの見た目だけでは完璧に塗り替えられないじゃないですか。その場所が醸し出すものなので、時間がかかるんです。そこで働く人たちの気持ちも出ちゃうんですよね。だから、僕ら家族も含めてWEEK神山に関わる人たちが気持ちよく仕事できるようにしていきたいですし、WEEK神山しかない特別な雰囲気を醸し出せるように少しずつここを磨き上げていきたいと思っています。
― 見に見えないところを大切にされているんですね。これからも少しずつ育っていくWEEK神山がとても楽しみです!また帰省した時にお伺いしたいです!貴重なお時間を頂きまして、ありがとうございました!
(神)こちらこそ、ありがとうございました。
神先さんとのお話を終えて

WEEK神山を拠点のような、アットホームのような場所にしたいという想いがきちんと出ている場所だな、と改めて思いました。無理をせずに気持ちよく、丁寧に仕事をしていく生活を積み重ねることで出来上がる「雰囲気」が、WEEK神山を物語ってくれることでしょう。

神先さんが作り上げるWEEK神山の雰囲気や、神山そのものを味わいに行ってみてはいかがでしょうか?
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プロフィール
神先岳史(かんざきたけし)さん 京都出身。25歳まで京都に在住し、一度ベトナムに渡る。過酷な労働環境により体調を崩し、帰国。26歳のタイミングで「神山塾」を知り、3期生として入塾。卒塾後、まずは徳島市に移住し、様々な地域で料理に関わる活動をする。去年神山へ移住し、現在WEEK神山の経営もしつつ、神山で様々な活動も行なっている。